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August 13, 2005

戸隠から海谷山塊 昭和60年5月3日から5日 越稜山岳会山行

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写真 左上:高妻山から乙妻山を望む 上右:縦走路から高妻山を振り返る 下左:焼山をめざす 下右:阿弥陀岳と烏帽子岳をバックに
 春の好天を利用し、戸隠から海谷まで縦走した。古い記録であるが、今でも登る人はそういないと思うので、紹介したい。
 5月3日(快晴)。5時戸隠牧場出発。前方に見える戸隠山が奇怪だ。しばらく進み、沢に入ると雪が出てきた。あちこちに滝がかかっていてすばらしい眺めだ。急な雪渓からやぶを少しこぐと、簡単に一不動に到着した(7時10分)。西方の展望が一気に開け、高妻山や北アルプスが目に飛び込んでくる。
 休憩もそこそこに歩き出す。雪がなくて登山道を歩くこともしばしば。8時20分五地蔵着。ここから標高差で400mの急登だ。くさりかけた雪に足をとられながらも、10時25分高妻山登頂。360度の展望を存分に楽しむ。はるかに遠くめざす焼山が望まれた。一時間かけて乙妻山まで歩を進める。驚いたことに、20年前新潟県山岳協会により実施された県境縦走の際のプレートが残っていた。ここで少し暑いが待望の昼寝をする。
 心地よい眠りをむさぼったあと縦走を再開する。少し下ってみて、仰天する。すっぱりと切れ落ちた崖となっているではないか。下まで100mくらいある。立ち木と固定ロープを頼りに降りていく。急崖もあと30mというところで、ロープはなくなっていた。一同動揺の色が隠せなかったが、細引きを持ってきたことを思い出す。これをダブルにして木にかけ、恐ろしい思いで降りた。
 降りついた鞍部で一息入れ、縦走を再開する。県境稜線はやぶが密生しておりとても手に負えない。ショートカットを繰り返す。夕方近くになると、風も強くなってきた。堂津岳の急登をくたくたになって登りきり、ピークの少し先を今日の泊場とした。
 5月4日(快晴)。5時15分発。上下の少ないひろい稜線を快調にとばす。柳原岳を越えると、やぶのついた上り下りの激しい稜線と化し、体力を消耗する。小谷村と笹ヶ峰を結ぶ林道が見下ろされる。西側斜面はかなりの急傾斜だ。松尾山が近づいてきた。私はどうしても三角点を獲得したかったので、遠回りして踏んでくる。
 乙見峠は7時40分着。これよりしばらく登山道が出現する。久々に雪のない道をたどる。ひとふん張りで薬師岳についた。ようやくやぶから開放されたことになる。焼山がひときわ大きく見える。少し下って左に90度コースを変えた頃から、日差しが強くなってきた。標高差500mの登りをやっとの思いでこなし、1時5分雪原に飛び出した。
 金山には2時10分到着。ここで一気に海谷山塊の展望が開けてきた。近いと思った富士見峠は意外に遠く、3時30分つかれきって到着。
 小休止後焼山ピストンに向かう。空身なのでピッチが上がる。大雪渓をガンガン登る。ルートはルンゼ状の地形をのびている。遠めには難しい岩場に見えたが、赤ペンキやロープのおかげで楽に登れた。稜線に出て火口をまわりと頂上に着いた。山頂から望む火打ち山はすばらしいの一語だ。下りはあっという間のグリセードで、テント帰着。夕方のひとときをのんびりと過ごす。
 5月5日(快晴)。4時50分出発。皆既月食を見たあと出かける。雪が締まっており、1ピッチで昼闇山の近くまで来てしまう。丸い頂の昼闇山をあとにして、一気に鉢山の鞍部へと下る。かなり切り立った山だ。KさんとYさんはそのまま北面の雪渓をトラバースするという。私はNさんと二人でピークを目指す。猛烈なやぶに加え、両側とも極端に切れているので緊張の連続だ。7時50分登頂。向こう側へ10分ほど降りてみたが、7m位の岩場に阻まれる。結局戻ることにした。
 鞍部で一休みしたあと、先行の二人と同様トラバースにかかる。それにしても北面の岩場はすごい。ほどなく向こう側の鞍部にいる二人と合流した。振り返って仰天する。先ほど我々がおりかけた岩場の先は、すさまじいばかりの岩壁になっているではないか。引き返してよかった。
 ここで阿弥陀岳ピストンへ行くかどうか迷うが、望見される険しさに断念することにした。広大な吉尾平をのんびりと歩く。阿弥陀岳と烏帽子岳東面の岩壁群を眺めながら、前烏帽子10時50分着。
 烏帽子の東面には百数十mも落下している滝があり、すこぶる絶景である。海谷山塊に最後に一瞥をくれ、北面の沢をグリセードで一気に下る。途中で雪がなくなり、やぶをこいで焼山温泉に到着する(12時30分)。温泉で山の疲れを癒し、車中の人となった。
 

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